哀しい別れ

愛犬のシェパード・リサは、かつて娘の切望で飼った。

しかし、実質、僕が散歩したり、面倒を見たりの日々がほとんど。

家内は、以前、胃全摘出の手術をして、体力が無くとても、世話は出来ない。

その為、僕が東京滞在中は、殆ど、悪い環境に、甘んじていた。

娘が世話するはずだったが、不幸にも、日常的にあてにならない。

将来独立する時には、リサを連れて行く約束だったが！、、、空しいかな子供の約束など，，，？。

娘は突然、近い将来、家を出て独立したいと真剣に言い出した。

更にはリサは連れて行けない、、、と、、悲しい結末、、。




当然先の事だが、海外里帰りの多い妻と、東京滞在もしばしばの

僕のふたりだけになったら、、リサに満足なケアは出来ない。

苦渋の決断で、まだリサが若いうちに、警察犬訓練所にもらってもらう事となった。

訓練所に着くと、悲しそうにリサは僕の顔を見て啼いた。

そして沢山の仲間のシェパードの群れに入れらると、

新たな世界に、不安そうながらも、リサは楽しそうにはしゃいでいた。

リサには新しい幸せが有ると自分に言い聞かせて、無理やり帰宅。

しばらくして、庭の空っぽに、なった犬舎をぼんやりと見ていた。

家に来た幼犬の頃からの約四年間の日々が走馬灯の様に脳裏を駆け巡った。

一時間程、涙が流れて流れて流れて止まらなかった。

こんなに、涙が出るとは、、。



何年ぶりか？僕は独り静かに声も出さずに哀しく悲しく泣いてしまった。。
　
悲しい別れの一日だった。





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